池田信夫

チェルノブイリ原発事故では、原子炉圧力容器が破壊され、核燃料が上空数十㎞まで噴き上げられた。 だが、今回の事故は、それとはまったく違う。「最悪の事態は防げた」という意味で、よく現場は原発をコントロールしていると言える。 今回は、地震が起こった瞬間に制御棒が入り、連鎖反応が止まった。 ところが、東電の経営陣か技術陣が判断を誤り、初動で冷却をきちんとしなかった判断ミスにより、数か月も収拾のつかない事態に陥った。 今後、検証すればわかると思うが、防げない事故ではなかったはずだ。現在の政府や東電の力不足でこうなってしまった罪は大きいが、人類は原発を安全にコントロールする知恵と技術は本来持っているのである。